はじめに
*このブログにおける抄読では、佐藤俊哉著の「宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ第11刷」の4月から7月分を使用しております。このような出版をされ、医療統計の勉強ができますことに深く感謝申し上げます。
履修している科目で抄読を輪番で行うこととなったので、それに向けて準備する。とりあえず気力が続く限り、一旦は自分で全て抄読することを目的とする。
あれ…3か月分のまとめまでついているじゃないですか?こりゃいい!これを元に抄読していこう。
4月_定義(definition)
比 ratio
比とは、異なるもの同士を割り算で比較したもの。2つの量の比較に用いる(分子と分母が異なる)。通常、次元をもつ。
比=a / b
aが一方の特徴をもつものの個数、bが他方の特徴をもつものの個数。
e.g.)
- 死産比=死産数/出生数
- 男女比=男/女
- BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)2
割合 proportion
割合とは全体のなかで特定の特徴をもつものが占める部分の大きさをいう(分子が分母の一部分、1を超えない)。
割合=a / ( a + b )
aが一方の特徴をもつものの個数、bが他方の特徴をもつものの個数。
e.g.)
- 肥満者の割合=肥満者数/対象者全体の人数
(対象者全体の人数=非肥満者数+肥満者数) - 打率=安打数÷打数
- 20××年現在の日本の糖尿病有病率=20××年4月1日現在の日本の糖尿病有病数/20××年4月1日現在の日本の全人口
率 rate
率は特殊な形で、分母が時間になったものを言う。したがって、事象が発生する速さを示す指標である。
率= a / b
aは事象の発生数(死亡率の観察においては死亡者数)、bは観察時間の合計であり、次元(ディメンジョン)は時間の-1乗(1/時間)である。率も0から無限大(∞)の間に分布する。
e.g.)
- 人口増加率=当該年度の人口/前年度の人口
- 離婚率(3分に1組の割合で離婚する)
- 気温の逓減率(100m上昇すると気温が0.65℃下がる)
“死亡率”は日本語でも英語でも間違っているとのこと。曖昧な使い方をされていることがあるので、それぞれの式をみて、比なのか、割合なのか、率なのか判断する必要がある。
5月_死亡率の地域比較
老年人口が多かったら死亡が多くなるので、年齢構成が異なった集団同士で単純に比較することはできない。比較できるように調整する方法は、基準人口とか標準人口と呼ばれる人口を使うので、「標準化」と呼ばれる。
年齢調整死亡率=[基準人口の年齢階級別人口数×年齢階級別死亡率]を全部足す/基準人口総数
日本において、年次や地域毎の死亡率を比べる場合は、「昭和60年モデル人口」を基準人口として、地域比較や年次比較を行っている。
1995年において兵庫県で年齢調整死亡率が高いのは、阪神淡路大震災があったから。統計資料だけでなく、その背景についても考える必要がある。
6月_「3た論法」
考え中